チェルシーフラワーショーで一番気になった「コンテストガーデン」
フラワーショーの入口で10£くらいかな?そこそこの厚みと見応えのありそうなパンフレットを販売しているので、それを入手すればそれぞれの庭のテーマや技術や見所などがわかります。が、現場で見歩けそうなサイズでもなく後からみることもないだろうと思ったので購入せず、主催者側が提示したい本当の見所は外しているかと思いますが、私が気になったガーデンを紹介していきます。RHSのCHELSEAFLOWERSHOWの公式ページで、全てのお庭の写真と解説がみれますよ。
The Pearlfisher Garden
(Gold medal winner)
えっ!?これがガーデン??と思わずにいられないと思う写真ですが個人的にこのガーデンが一番好き。
この作者はダイバーに違いない。ダイバーでなければ造れまい。ダイバーなら造りたいガーデン。海の中の景色を再現したガーデンです。
スキューバーダイビング経験者でなければ目にしたことのないだろう思う、海中と海底の様子が詰め込まれて再現されています。
イギリスの中心部のロンドンで開催されるガーデンショーに、ビーチで日光浴派ではなくてタンク背負って海中を探検するダイバーが訪問している確率ってどのくらいだろう?と、この表現力のすごさがちゃんと伝わっているであろう人の少なさを思うとちょっと残念。
ゴールドメダルをとられていますが、ある程度深さのある海中を知らない人には海っぽい面白い発想の変わり種の庭くらいにしか受け止められていないんだろうなあ。。。
どれもこれも、そう!そう!そう!となるコメントしだすとキリがないくらいの表現。隅々まで細かくて、海の中にいる気分になるこの世界観をよくここまで屋外のガーデンショーで造りあげたと心の中で拍手喝采。このガーデンの手伝いしたかった。
何故このガーデンにこんなに反応したかというと、私もドイツマイスターの国家試験の実技の一つだった「花で表現するテーマの部屋」のテーマが「海の中の部屋」だったのです。私は、切り花を使って大学の教室一室を、海の中にデザインしてしまうという展示をしたのですが、海中を表現したかった理由が「地球で一番美しい景色は海の中」と思っているから。その美しい海の中の景色を、美しい地上の植物で再現してみたかったのです。
なので地球にある自然界の美しいものを、違う場所で表現したいという気持ちがよくわかる。華やかさはないけど美しい。
色んな角度や場所からみればみるほど隅々まで芸もこまかいガーデンです。鉄が錆びているのも海っぽい。
海に飛び込むシュールな女性もいい味だしてますよね。遠くからこの女性だけが見えた時はびっくりしたけど。。。
今回、コンテストガーデンを見て回ってしみじみ思ったのですが美術館にしろ博物館にしろ芸術的なものは先入観なく自分の感性がおもむくままに好きなものを探すのが面白いですね。
自分で自分を発見できる気がします。