キリスト教会の礼拝堂に飾る伝統的な花材を使ったクラッシックアレンジ。クラッシックコンサートのウェルカムフラワー&会場装花です。
結婚式などのために作られた礼拝堂ではなく、本物のキリスト教会の礼拝堂ですので神の存在に敬意を払いタブーな花は使わず伝統を外さない奇を衒わないクラッシックなデザインでありつつ、コンサートのテーマにそったデザインということで一味違う華やかさを演出する花材で装花しました。ヨーロッパの伝統文化における花についてはマイスターですのでしっかりと勉強してきましたが日本ではほとんど使うことはない知識なので今回は少々嬉しい本物の教会での装飾でした。
いつの時代もどの国でもどんな芸術でも大切なのは、伝統と革新の両者を心得ていること。
このアレンジに使った花材では、百合と柳がキリストのシンボルにまつわる植物です。コンサートのテーマカラーが「真紅」だったので赤柳を選んでいます。そして多くの方が目を留めた?というよりは「本物??」と確認すべく見入った「孔雀の羽」。もちろん本物の孔雀の羽です。この豪華なオスの孔雀の羽は発情期を過ぎると自然に抜けてしまうそうです。その羽たちが市場に出回り再利用されここにいます。この孔雀の羽が実は宗教的に尊重されるシンボリックな花材。孔雀の肉は死後も腐らないとされていたことから「不死身」日の輪を象徴する「不死」キリスト復活における「不滅」という意を持つ神聖な鳥として図象や絵画に多く残されています。キリスト教のみならず世界各地の様々な宗教において孔雀は神聖で特別な鳥とされてきたようです。
横にも大きく円を描くデザインにしたかったのですがお客様が多い中で邪魔になってはいけないので縦に伸びやかアレンジで断念。大切なのは自己主張ではなく、場にうるさくない、視覚的にも物理的にも邪魔にならない装花であること。派手なだけの花を作るのは簡単ですが五月蝿くない花を作るのは難しい。修行は続く(笑)