礼拝堂にて開催されたフルートリサイタルの開演前風景。アドベント期間中ということもありキリスト教のシンボルと演奏テーマをとりまぜた演出での舞台脇装花です。リサイタルのプログラム曲が表現したい「花」の意味が、ふんわりと可愛いロマンティックな花ではなく、情念や人生のロマンの花という方がしっくりくる奥の深い花だったので、人間の「情」にまつわる愛情のシンボルとしてもっともふさわしい「真紅の薔薇」で表現しました。
ウェディングシーンのように、中央通路をばーんと赤い薔薇の花道に仕上げる予定だったのですが通路が狭すぎたことと思いのほか横にも広い会場だったので舞台前面にランダムに設置変更。事前に頭で思い描く画と実際の風景が異なるのが現場仕事の醍醐味です。開演前風景では花が少なくて寂しい感じですがお客様が着席されるとフルートという楽器の演奏に対して五月蝿くならないギリギリのボリュームに感じました。
写真の右中央にある一輪だけ咲いているマドンナリリー(白百合)は前半の楽曲を演出するアレンジ。後半に花が開くので豪華なアレンジメントと入れ替えたのですが・・・この一輪だけ咲いている百合の存在に気がつく人とつかない人。この花に気がついてどう感じたのか?この花の演出の意味の受け止め方は本当に人それぞれで、様々な感性の存在が確認できる「花一輪」でした。
たかが花一輪。されど花一輪。答えのない「花一輪」への答え。あなたはどう感じますか?